かきなぐり

ずっとずっとここにいる
時計の針が止まっても、何度陽が沈もうとも
一度だけした約束がまだ果たせていないから


「手か足か 嵌ったままの枷を取りなさい」


見知らぬ誰かに言われたけれど
取れるものならとっくに取って逃げていた
取れないからずっとここにいる。


約束という名前の縛り
身体のあちこちに残して消えたひと
まだ、なかから消えてくれない